
太平洋の海原と北関東の大地をつなぐ新時代の門戸「常陸那珂港」
昭和58年、北関東の新たな物流拠点及び首都圏の電力需要に対応するエネルギー基地を担う重要港湾として「常陸那珂港」の計画が策定されました。その後、背後地域の物流需要の増大やコンテナ船の大型化等の状況に対応するものとして適切に計画を変更しつつ平成元年、工事に着手しました。
東・北・南防波堤及び、計画総面積752ha(うち埋立面積303ha)には北・中央・南の3ふ頭を配置、水深-18mの専用岸壁の他、-5.5m〜-15mの公共岸壁を設け、外貿2,100万トン、内貿500万トンの貨物を取扱う国内における中核国際港湾として完全完成を目指しています。
@大水深-15mのコンテナ岸壁を有する国際コンテナターミナルの他37バースの公共岸壁等を整備。
A21世紀の電力需要に対応するための、東京電力(株)の、石炭を燃料とする火力発電所です。運転開始は1号機は稼働中2号機は平成22年度以降。
B「国営ひたち海浜公園」等とも連携のとれた親水空間・交流拠点を整備。
巨大ケーソンを運び・進水する…画期的進水方式「DCL」
DCL (Draft- controlled Caisson Launcher) は、陸上で製作された8,000トン級の超大型ケーソンを搭載し浅吃水でヤード護岸より沖合に曳航し進水する装置です。
DCL本体は、ケーソンの安定かつ迅速な積込みのため海底に支承台を設置して着底タイプとし、進水作業時間短縮のため沈降時にはポンプ注水と自然注水を併用、また主要機器は本体内に設けた制御室からの遠隔操作システムとなっています。また、DCL進水システムの採用により、浅吃水 (-4.2m) の水域での施工が可能となり航路浚渫土量の大幅な軽減、DCL本体を進水専用とすることで一隻配備で対応、悪天時にはDCL内のバラスト水を増すことで待機が可能となり退避場所が不要など、作業基地をコンパクトに整備でき工事の早期着工が図られました。

▲巨大ケーソンを効率的に進水するDCLの愛称は「ドラコン」
DCLは長さ69m、幅50m、高さ25m。側壁に描かれた恐竜の親子から「ドラコン」の愛称で親しまれています。DCLはケーソン搬送装置「フルーズ」との一連の進水システムにより、東防波堤の大規模急速施工を支える役割を担っています。
港湾整備の最前線で巨大ケーソンをつくる…「作業基地」
東防波堤の建設に使用する8,000トン級ケーソンを同時に多数製作する能力を有するケーソンヤードで、静穏な水域から成っています。

各ケーソンの施工に当たっては、鉄筋種類・継手長の統一、単純化を図った上でユニットに分割することによりユニットを地上組立し、クレーンで移動・建込を行う「鉄筋ユニット工法」を採用し、スムーズな施工で合理化・省力化を図っています。また、ケーソンの進水装置「DCL」への積込みには、フルーズ方式 (空気膜式ケーソン搬送装置) を採用し円滑化で効率的な作業を行っています。

8,000 t ケーソンを浮上し移動する「フルーズ」
圧縮空気による空気膜装置でケーソンを浮上させ、摩擦抵抗を極限まで減少させた上で、油圧推進装置により4条のスライドウエイ上を走行する4列の台車でケーソンを移動します。この世界初の空気膜式ケーソン搬送装置も東防波堤の大量・急速施工を支える最先端技術のひとつです。