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東京湾における海難事故■世界でも有数の交通過密地帯東京湾中央航路は、長さが200m以上の巨大船や危険物搭載船などの往来に加え、総トン数10,000トン以下の各種貨物船やフェリー、RORO船などの内航船が行き交い、更には小型の漁船も航路付近で操業する世界でも有数の船舶輻輳海域となっています。 ■カーブや障害物が多かった航路このように航行船舶が頻繁な海域であるにもかかわらず、地形や水深の関係から航路や航行ルートが屈曲した操船進路を取らざるを得ない上に、これまで浦賀水道航路には満潮時に殆ど水没する第三海堡が暗礁として存在し、中ノ瀬航路は-19m程度の浅瀬が点在していました。 ■多発した海難事故こうした状況下において、東京湾ではこれまで多くの海難が発生していました。1974(昭和49)年11月9日に中ノ瀬航路出口付近で発生したLPGタンカー「第10雄洋丸」と貨物船「パシフィック・アリス」号の衝突・炎上事故は乗員33名が死亡する痛ましい事故でした。また、1988(昭和63)年7月23日には浦賀水道航路を航行し、横須賀港へ入港しようとしていた潜水艦「なだしお」と遊漁船「第一富士丸」が横須賀沖で衝突し、30名が亡くなる大事故も発生しました。衝突事故以外では、1997(平成9)年7月2日、中ノ瀬航路を航行できないために中ノ瀬西側海域を航行していたタンカー「ダイヤモンドグレース」号が浅瀬に乗り揚げ、原油約1,500キロリットルが流出するという事故が発生しています。 東京湾口航路事務所では、船舶が安心して航行できるよう中ノ瀬航路の浅瀬を浚渫し、また第三海堡を撤去し、開発保全航路の環境整備を図ると共に、航路障害物等の異常物発見や航路監視パトロールを実施しています。 航路付近での事故の発生状況主な海難事故
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