海と港のライブラリー

港湾用語集【環境】

英字
用語 解説
dB(A) 人間の聴覚に近い傾向のあるA特性の聴覚補正回路を有する普通騒音計により測定された騒音レベルの単位で、ホンとも称されている。(A)は省略されることが多い。
あ行
用語 解説
青潮
(blue tide)
海岸から沖合にかけて酸素をほとんど含まない青白い水面が広がる現象。基本的には、底層の貧酸素水塊が勇昇、接岸することにより発生するものと考えられている。主として春から秋にかけて発生することが多い。沿岸部に生息するアサリなどの貝類やカレイなどの底生魚類が大量に酸欠死することもある。
赤潮
(red tide)
海域における富栄養化現象のひとつで、海中の微少な生物(主に植物プランクトン)の異常増殖により海面が変色する現象。赤色(黄褐色、緑色の場合もある)に変色することが多く、春から夏にかけて気温が上がり日照時間が長くなると発生しやすくなる。プランクトンが魚のエラに詰まり窒息したり、有毒なプランクトンや水中の酸素の減少により、魚介類が死ぬなどの悪影響を及ぼす。
維管束 維管束はシタ植物及び種子植物の茎・葉・根などの各器官を貫いて分化した条束状の組織系のことで管束ともいう。維管束は木部と師部からなり水分や体内物質移動の通路となる。
栄養塩類
(nutrient salts)
生物が正常な生活を営むのに必要な無機塩類のこと。生物生産の第一段階を担う植物が生長するとさに大量に必要とされ、植物の生長・増殖の制限因子となっている物質を特に指していう。海域では窒素・リン及びケイ素の無機塩類があげられる。
エコ・システム
(eco system)
日本語では「生態系」。ある地域の全ての生物群集とそれらの生活空間である無機的環境を含めた系を指す。
か行
用語 解説
海藻と海草 陸上の植物と同様に維管束を持ち、花を咲かせて種子をつける植物のうち水中に生育する水草の中で海水中に生育するものを海草と呼ぶ。一方同じく水中に生育する維管束を持たない植物を藻類と総称し、藻類のなかで海水中に生育するものを海藻と呼ぶ。
海中林 藻場のうち、主として大型底生藻類(ホンダワラ類、アラメ、カジメ、ワカメ、コンブ等)
環境基本計画 環境施策の総合的かつ計画的な推進、現在と将来の国民の健康で文化的な生活の確保、人類の福祉への貢献。4つの長期日標(循環、共生、参加、国際的取組)が掲げられている。
強熱減量
(IL)
底質などを一定の高温で一定時間加熱した後に、重量が低下した割合。有機物は高熱で分解揮発するため、有機物の指標となるが、無機物の一部も分解されてしまうため一義的に有機物量を示しているわけではない。但し、測定が簡便であるため、過去からの測定事例が比較的多い。
公害防止計画 環境基本法に基づき、現に公害が著しい地域、あるいは人口及び産業の急速な集中その他の事情により、公害が著しくなるおそれがある地域であって、公害の防止を図ることが著しく困難である、あるいは困難になると認められる地域であって、内閣総理大臣が公害の防止に関する施策に係る基本方針を関係都道府県知事に示して、その策定を指示し、知事がその施策に係る計画を作成して内閣総理大臣の承認を受けた計画。
公共用水域 水質汚濁防止法において、公共用水域とは河川、湖沼、港湾、海岸、海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路をいうと定義されている。
さ行
用語 解説
三番瀬 東京湾の最奥部、千葉県船橋市と市川市にかけての沖合に残された浅瀬の通称。水深5m以下の浅瀬が沖合3〜4kmまで広がり、最も潮が引く大潮期には約140haの干潟が現れる。シギやチドリ類の国内有数の中継地で希少種を含む水鳥89種が飛来する。スズキやカレイの生育地でもある。
植物群落 植物種の集まりのひとかたまりを植物群落と呼ぶ。これが多数、複雑に絡まりあい、そこにすむ動物や水や土壌など生物以外のつながりを含めて、生態系を構成する。森や草原、尾瀬のような湿原、河原の草むら、道ばたの雑草たち、これらはみんないろいろな植物が集まって暮らしている「植物群落」である。「植物群落」は、自然をかたち作っている重要な要素である。
植物群落レッドデータブック 自然の構成要素である植物群落そのものの多様性を、また動植物の生息・生育地として、生態系の多様性を守るために植物群落という学位で保護・保全が必要である。そこで、緊急に保護・保全が必要な「植物群落」についてリストアップし、その保護を訴えたのが植物群落RDBである。日本全国で7492件の「植物群落」がリストアップされた。
生物多様性 生物の多様性は遺伝子、種、生態系の多様性の3つの階層を包含して言う。そして、生物の多様性の保全とは、将来世代の必要と望みをかなえる可能性を維持しつつ、最大の便益を現世代にもたらすような、遺伝子、種、生態系への人間の関わり方についての管理方法であり、生物の多様性の保存・研究・利用の要素を含む概念である。
た行
用語 解説
潮間帯・潮下帯 海洋の生態区の一つであり、潮汐の干満によって水没する最高高度から干出する最低高度までの範囲を潮間帯という。潮下帯は亜潮間帯と呼ぶこともあり、潮間帯の最低高度より下にあり、その下限は大型海藻類の生育範囲が目安とされている。
な行
用語 解説
日本自然保譲協会
(NACS-J)
国土の自然を調査研究して、その景観上の価値を解明し、かつ国民の自然的環境及び生物社会の保全、自然資源の保護等を広く自然保譲に努めるとともにこれに関して国民の意識を深め、もって国家諸般の施策に寄与し、世界文化の昂揚に貢献する。自然に関する調査研究と資料の収集。自然保護思想の普及宣伝のための刊行物の作成頒布等。
ノーマライゼーション 障害を持つ人でも地域のなかで通常に暮らせる社会づくり。
は行
用語 解説
廃棄物 占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になった物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであって、排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものでないこと。
バックグラウンド ある環境へのインパクトを測定する場合、その影響がインパクトによるものか自然状態で存在するものかを判断する必要がある。通常、バックグラウンド地点はインパクトの発生源より十分離れた影響を受けない地点に設ける。この地点は自然状態での環境のバックグラウンド値を示すものとしてインパクト判断する際の比較データとなる。
干潟 砂や泥等により形成される勾配の緩い沿岸地形で、潮汐の干満により干出と水没とを繰り返す地形として、一般的には認識されているが、海底勾配や底質中央粒径など定義されているわけではなく、その前面に広がる勾配の緩い浅い海域(浅場)や後背地等の沿岸部を含めた広域で言い、砂浜との違いは、土砂の粒径が小さくかつ、浜勾配が緩やかで生物相が多様であることが言える。
富栄養化 水域への過度の栄養塩供給によって栄養塩農度が高くなっていくこと。ある程度までの富栄養化は水域の生産量を高めて漁獲量を増加させるが、過度の富栄養化は赤潮や貧酸素状態の発生をもたらす。富栄養化防止を自的とした窒素およびリンに関する環境基準では、海域での水産1種(底生魚介穎を含め多様な水産生物がバランス良く、かつ、安定して漁獲される)利用への適応基準値として全窒素0.3mg/L以下、全燐0.03mg/L以下とされており、内湾や閉鎖性水域ではこの値が富栄養化進行の日安となると考えられる。
ポリ塩化ビフェニール類
(PCB)
1954年から57,300t国内生産されノーカーボン紙、電気製品等に使用され1971年に生産中止された。
ま行
用語 解説
藻場 海底の隆起部に大型底生藻類(ホンダワラ類、アラメ、カジメ、ワカメ、コンブ等)や沈水植物(アマモ)が群落状に生育している場所をいう。
ら行
用語 解説
ライフサイクル 生産、施工、共用、維持管理、解体、リサイクルまたは廃棄に関する構造物の一生の過程のこと。
ライフサイクルアセスメント 製品の設計から廃棄までの環境影響を評価し、環境影響を最小化するための手法のことで、lS014040〜14049で規格化される予定。
ラグーン もともとはサンゴ礁に見られる地形を指す用語(サンゴ礁と陸の間や環礁の中央部に発達する深い水域)であるが、池状の施設や水路状の施設を表す用語として用いられている。人工ラグーンは石材、コンクリートブロックを環状に積み上げることで形成でき、自然環境、魚介類の生息環境を新たに生み出す。
ラムサール条約 正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、水鳥に重要な湿地の保護を目的とし1975年に発効した。イランのラムサールで採択されたことからこう呼ばれる。我が国では10を数える登録地のうち、干潟では千葉県の八津干潟が登録されている。
リビングフィルター 葦などの大型の水生植物が持つ栄責塩類の固定能力を利用して、水・底質の浄化を図る。

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